センター長挨拶

 

「科学機器リノベーション・工作支援センター」は,耳慣れない名称かもしれませんが,大阪大学の学内教育研究施設の1つです.いずれの研究科や学部にも所属しない独立した部局で,低温センターや超高圧電子顕微鏡センターなどと同じく,教職員や大学院生・学生の教育・研究を支援するために,広く門戸を広げて運営しております.その主なミッションは以下の通りです.

①研究設備・機器の有効利用と共同利用のためのリユース
②学内設備・機器の掌握と共同利用の促進
③工作による教育研究支援

沿革としては,1966年に学内共同教育研究施設として設置された「工作センター」が出発点です.何回かの改組を経て,2014年に「工作支援室」と「研究設備リノベーション支援室」の2室で構成される現在の体制となりました.「工作支援室」は豊中キャンパスの文理融合型研究棟に,「研究設備リノベーション支援室」は,吹田キャンパス産業科学研究所のインキュベーション棟と豊中キャンパス文理融合型研究棟に分散して設置されています.

「工作支援室」は,各部局からの要望に応じて,機械工作,ガラス工作の技術を活かした実験装置・器具・試験片の製作・改良を通じて,本学の先端的な研究を半世紀以上にわたって下支えしてまいりました.しかし,最近は研究支援以外の面での大学支援も顕著です.例えば,2018年には本学がホストを務めた「日独6大学ネットワーク(HeKKSaGOn)」において盛会の鍵となったシンボリックオブジェを製作いたしました.コロナ禍の2020年4月にあっては,附属病院からの要請に応じ,入手困難であったフェースシールド4,500セット,アイガード3,000個を,迅速に内製して病院運営に協力いたしました.また,2020年8月には,「大阪大学技術職員研修」の実施にも協力しております.

一方,「研究機器リノベーション支援室」は,2007年にスタートした比較的新しい部署ですが,貴重な学内研究資産の有効利用を目的として,共同利用可能な設備・機器のリユース・共用化および全学的な共用機器の利用・運用のための機器予約課金システムの構築を通して,利用拡大を図ってまいりました.2017年には文部科学省「先端研究基盤共用促進事業」において,「化学スペクトロスコピーソリューション」,「ナノ構造量子解析ソリューション」.「ライフ・バイオソリューション」の3件が採択され,「阪大ソリューション方式」と呼ばれる機器の種別や研究分野ごとに部局横断で共用ユニットを形成する本学独自の研究支援方式を確立いたしました.2019年には,同じ「先端研究基盤共用促進事業」の「研究機器相互利用ネットワーク導入実証プログラム(SHARE)」に採択され,大阪市立大学および奈良高等専門学校と共同で「阪奈機器共用ネットワーク」を構築し,現在は大学(機関)の垣根を超えた機器共用の地域連携に取り組んでいるところです.

このように,当センターは研究資産である科学機器の効率的な運用と,最先端研究に供する装置・機器の製作などを通じ,本学の研究教育活動に寄与しております.大学の部局としては小さな組織と言えますが,その反面で機動性・柔軟性に優れた組織と考えております.今後も,皆様のご要望やご助言に耳を傾けて,より高度で効率的な研究教育支援を目指したいと考えておりますので,ご協力できることがございましたら,些細なことでも躊躇することなくご連絡いただきますようお願いいたします.

科学機器リノベーション・工作支援センター
センター長 宇都宮 裕

(沿革)

1966年(昭和41年)
学内共同教育研究施設として「工作センター」発足
2007年(平成19年)
「工作センター」を発展的に改組し「科学教育機器リノベーションセンター」を設立
2011年(平成23年)
平成23年度「設備サポートセンター整備事業」採択
2014年(平成26年)
科学機器リノベーション・工作支援センターへ改組
2017年(平成29年)
平成29年度「先端研究基盤共用促進事業(新たな共用システム導入支援プログラム)」採択
2019年(令和元年)
令和元年度「先端研究基盤共用促進事業(研究機器相互利用ネットワーク導入実証プログラム)」採択